ITパスポート試験の難易度は?MOS、基本情報技術者試験と比較。
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ITパスポート試験は他のIT・情報系資格と、なにが違うの?
ITパスポート試験以外にも、IT・情報系資格は国家資格、公的資格、民間資格、たくさん存在します。どれを取ればよいのかわからなくて迷ってしまいますよね。
今回は、IT・情報系資格中でも特に受験者数が多い代表的な3つの資格を比較します。
この記事を読めば、
以下の3つの資格のうち、「自分に適したものがどの資格なのか」その答えがみつかります。
- ITパスポート試験
- ワンランク上の国家資格である基本情報技術者試験(FE)
- マイクロソフト社が実施している民間資格であるMOS(モス:マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
目次
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ITパスポート試験とは?
ITパスポート試験は、経済産業省が認定する日本の国家試験です。
この試験の狙いは、社会人にそなえておいてほしい情報技術の基礎知識を受験者が習得することです。
試験に合格すると、情報技術に関する共通的な基礎知識を習得したことを国が証明します。
ITパスポート試験の合格率は、2022年度8月時点で55%(2021年度:53%、2020年度:59%)。受験者の2人に1人が合格しています。他の国家資格に比べると合格率が高く、取得しやすい資格だといえます。
ITパスポート試験 VS. 基本情報技術者試験(FE)
まず、基本情報技術者試験(FE)は、どういった資格か見ていきましょう。
ITパスポート試験と同様、経済産業省が認定する日本の国家試験です。「ITエンジニアの登竜門」とうたわれており、現職のシステムエンジニアやプログラマ等の技術者や、それを目指している人向けの資格といわれています。この資格によって、情報技術を活用した戦略立案に参画し、ITソリューション・製品・サービスを作り出す業務に従事する能力が備わっていることを国が証明してくれるのです。
ITパスポート試験が、すべての社会人に必要な情報技術の基礎知識が必要だとすると、基本情報技術者試験には、より専門的なITや情報技術の知識を要求されそうです。
基本情報技術者試験は、やはりむずかしい?
基本情報技術者試験は、ITパスポート試験よりワンランク上のレベル2とされています。
ITパスポート試験の合格率が約50%なのに対して、基本情報技術者試験は約20%。受験者の5人に1人しか合格できない計算です。難易度がいっきに上がりますね。やはり、試験の内容は相当むずかしいのでしょうか。
出題範囲は、ITパスポート試験が、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野、100問中だいたいバランスよく出題されるのに対し、基本情報技術者試験は午前と午後の二部制で行われ、午前の四肢択一試験は、80問中テクノロジ系50問と午前全体の60%を占めます。
また、午後試験は、問題数11問のうち5問に解答するのですが、コンピュータシステムに関すること、システムデータ構造及びアルゴリズムに関すること等、より専門的で実務的な知識が要求されます。
ITパスポート試験と基本情報技術者試験の過去問を解いてみた。
試験問題にどのような違いがあるのか。実際に、ITパスポート試験と基本情報技術者試験の過去問をそれぞれ解いてみました。
ITパスポート試験は、シラバスにある用語例の意味が正しく理解できているかを問う問題が大部分。
対策としては、用語とその意味を覚えて過去問を解くことを繰り返せば合格基準をクリアすることができそうです。特に、企業で務めた経験があれば、ストラテジー分野の用語は馴染みがあり、参考書等を読まなくても、すでに意味がわかっているものも多いはずです。
一方、基本情報技術者試験の場合、シラバスを用語例の意味を知っているだけでは、ほとんど問題が解けませんでした。用語の意味を理解し、且つ、実際に業務で使用するような発展させた周辺知識もインプットする必要がありそうです。
特に、午後試験の問題は、どの問題も設問設定が長く、とても実務的で専門的のため、情報技術の経験や知見がない人にとって設問を読み解くのも難しいものもありました。
ITパスポート試験は、頻出用語をできるだけ多く頭に詰め込むことがキーになりそう。
基本情報技術者試験は、ITパスポート試験とは問題の質が違います。実務経験があれば解けるのかもしれませんが、しっかりと時間をかけ試験対策を行わないと、合格できなさそうですね。
MOSとはどんな資格?
ここからは、MOSとITパスポート試験とを比べていきましょう。MOS(通称:モス)は、マイクロソフト社製品のオフィスソフト(Word、Excel、PowerPointなど)の使用スキルを証明する民間資格です。世界中で行われており、世界共通の「合格認定証」によって国際的にスキルの証明ができます。
受験者数は、累計470万人以上(2022年1月現在)。ITパスポート試験の累計受験者が約130万人ですので、3倍以上多くの人がMOSを受験しています。
認定は、一般レベル(スペシャリストレベル)と上級レベル(エキスパートレベル)の2種類。MOSは、ソフトとバージョンごとに試験が分かれています。
また、Excel、Word、PowerPoint、Outlookの4科目のうち3科目を取得すると「MOS Associate」に認定され、それに加えて上級レベルの3科目のうち2科目を取得すると「MOS Expert」に認定されます。
受験料は、大体が一般価格10,780円(税込)、ソフトとバージョンごとに個別で費用がかかります。
※受験料には学割あり
※一般レベルはMOS 2019より、スペシャリストからアソシエイト(Associate)にレベル名が変更
MOSの合格率は高いの?合格ラインはどれぐらい?
MOSの合格率は公表されていません。推定では、一般レベル(スペシャリスト)が約80%、上級レベル(エキスパート)が約60%とされ、合格率は比較的高いといえます。
また、MOS称号別累計認定者数(MOS 2019のみ)は、MOS Associate累計認定者数が5,677人、MOS Expert 累計認定者数が1,043人です。MOS 2016以前のバージョン(マイクロソフト オフィス マスター;同一バージョン内で所定の4科目に合格)では、累計認定者数は9万人強です。単純計算で、受験者の約5%の人が複数科目合格し称号認定されているようです。
MOSの合格基準は公開されていませんが、1000点満点で550点~850点の範囲が目安とされています(科目によってことなる場合があります)。
問題数は、問5個~10個に対して設問1個~7個あるといわれ、最大で70問の計算です。
ITパスポート試験のように明確に問題数と合格基準が公表されていないため、常に85%は正解できるように試験対策しておかないといけなさそうですね。
MOSの試験の内容は?難易度は?
MOSの過去問は、ITパスポート試験のように公開されていません。
MOSの試験内容を知るためには、まず、試験対策テキストや問題集を購入する必要があります。
一般レベルの場合、出題内容は普段からofficeソフトを使用している人であれば一度は行ったことがある操作です、問題の難易度は決して高くはありません。Excelであれば、関数も挿入による答えの求め方やセルの書式設定など。Wordであれは、印刷時のレイアウト変更やキーボードを用いた文字の変換方法などです。
ただし、普段は感覚で作業を行っている人も多いはず。改めて、四肢択一で問題、解答が箇条書きされていると、正解がどれか迷ってしまうものです。合格するためには、操作方法の名前や手順を覚える等、試験用の対策はある程度必要でしょうか。
MOSの一般レベルであれば、普段、オフィスを使って仕事をしている人にとっては難しくはなさそうです。ただ、ソフトごとに対策テキストを買い、受験料を支払うとなると、お金が結構かかりますね。
3つの資格、どう役に立つの?
3つのIT系資格試験を比較しました、ここで、各資格のメリットをみくらべてみましょう。
ITパスポート試験
企業や経営についての基本知識に加えて、IT・システムについての基礎知識が得られます。
例えば、企業で働く際、飛び交う用語があらかじめ理解できているかいないかで仕事のしやすさが異なります。ITに対する専門的な資格としての効力はなさそうですが、ITに関する国家資格を持っていることは、就活の際、自己PRに活用できるでしょう。
基本情報技術者試験
プログラマ、システムエンジニア等、システム系の技術者やIT取り扱う業種の方にとって、知見、能力を証明できる国家資格です。
IT関連企業のなかには、技術者に対してこの資格の取得を義務付けている企業もあるようです。業務独占資格ではないため取得しなくても技術者として働くことはできますが、専門性が高い資格です。転職の際、役に立つでしょう。
MOS
企業に務めるならば、Excel、Word等、オフィスを使うことは必須です。MOSの資格勉強によって、ビジネスに必要なパソコンスキルが身につきます。
仕事の作業効率があがることは、メリットとなるでしょう。ただし、資格効力は、民間資格のため国家資格には、およばないかもしれません。また、Excelのみ資格を取得するというよりは、複数資格を取得して、オフィスが使いこなせるとアピールできたら、就活や転職の際、メリットになりそうです。
まとめ
各試験がどういう人におすすめなのかをまとめました。
ITパスポート試験
- 就職活動中の学生:自己PRに活用できる。
- 文系の学部卒業生や学生:ITの知識を習得するファーストステップとして。
- IT関連企業への転職を検討する非IT系企業勤務の社会人:ITの知識を習得する足がかりとして必須。
- DXやシステム系部署に異動したい社会人:取得が社内のキャリアパスにつながる。取得が部署で必須になっている場合もある。
- エンジニア、プログラマ:基本情報技術者試験等のIT系上位資格取得の肩慣らし。
基本情報技術者試験
- 駆け出しシステムエンジニア、プログラマなどのIT系技術者:今後の転職やキャリアアップのため、自らの能力証明。
- IT関連企業のプロジェクトマネージャー:実務的知識を得て、PMとしてステップアップ。
MOS
- 事務系職種の人:Excel、Wordのオフィスソフトの使い手としての能力証明、キャリアアップにつなげる。
- 社会人全般;オフィスのスキルを身につけて仕事の効率を上げられる。
IT・情報系資格で最初にとりかかるならば、試験問題の難易度、受験のしやすさとメリットのバランスを考えると、やはりITパスポート試験がよいでしょう。
まずは、ITパスポート試験がどういう内容なのか、過去問にチャレンジしてみましょう。
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